こんにちは。今日は、私が皮膚科クリニックを3院開業・運営してきた中で得た「内装業者の選び方」についてお話しします。

先生のクリニックはゆっき一先生ワールドですね

私の趣味や好みなどを詰め込んだクリニックになっています
私の3クリニックは以下のカラーをメインに使用しています
1店舗目 「溝口駅前皮膚科」は白基調
2店舗目 「自由が丘ファミリー皮膚科」はピンク基調
3店舗目 「二子玉川ファミリー皮膚科」はブルー基調
開業準備において、内装はクリニックの顔をつくる大事なステップ。しかし、理想の空間を実現するためには、適切な業者選びとトラブル回避の知識が必要です。今回は、私のリアルな体験を通して、内装業者選びのポイントや注意点を共有します。
1. 内装業者選びは「コンペ形式」でスタート
テナント契約が済むと、すぐに内装業者を探し始めます。なぜなら、家賃が発生しているため、1日でも早く工事をスタートしたいからです。
最終的に、3院すべて同じ業者さんにお願いすることになりました。提案力が高く、こちらの希望をきちんと汲み取りながら、一番コストも抑えてくれたからです。
2. トラブル体験:図面だけで30万円請求?
とはいえ、すべてが順調だったわけではありません。3院目の開業時、ある業者から不当な請求を受けるというトラブルに巻き込まれました。
その業者には図面提案だけお願いしたのですが、最終的に別の業者に依頼することに。すると、「図面作成料30万円を支払え」と請求がきたのです。しかも、面談時には一切そんな話はされませんでした。
ホームページには「面談後は料金が発生する」と書かれていたらしいのですが、まったく聞いておらず…。話し合いが難航したため、弁護士に依頼して内容証明を送ることに。結果的に10万円の費用がかかりました。
✅ 教訓:
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いつから費用が発生するのかを、事前に必ず確認!
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曖昧な点は書面で残しておくのが安心です。
3. 内装で気をつけたい細かいけれど大事なこと
● 棚・収納の配置は開業前に計画を
開業後、「ここに棚をつければよかった!」と思うことが本当に多いです。でも後付けするとかなり高くつきます。私は医学書など重い物を置くために補強材を入れておけばよかったと後悔。2院目以降は、最初からしっかり補強してもらいました。
● 鍵の位置や種類にも注意!
鍵の位置が低すぎて使いにくく、結局工事で位置を変更したことがあります。小さなことですが、毎日使うものなので不便さは積もります。また、複製が難しい鍵を選ぶと、スタッフに渡す時に苦労します。複製可能な鍵を希望する旨も伝えましょう。
4. 内装の工夫で診察の印象が変わる
● 壁紙と掲示物の関係
患者さんは待っている間、壁をよく見ています。だから掲示物を貼っておくといいのですが、取り外すと壁紙が剥がれてしまうことも。高級感のある壁紙ほど、破損時の修復が大変。最近はマグネットがつく壁紙もありますが、高価です。費用と実用性を天秤にかけて選びましょう。
● 処置室と診察室のネーミング問題
混み合っている時に、良かれと思って患者さんを「処置室」に通して診察したところ、「診察室じゃなく処置室て適当に診られた」というクレームをもらったことがあります。善意でも伝わらないことがあると実感しました。それ以来、「処置室」というプレートは外し、「診察室1、2、3」と番号で表記するようにしました。
5. 気配りが差を生む:ちょっとした工夫集
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ベビーベッドを会計横に設置:赤ちゃん連れのママがとても助かると好評。
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似顔絵+一言コメント掲示:「今日の担当医は◯◯先生です。猫と魚が好きです」など。どんな先生か心配される患者さんは見て安心します。
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サングラスの設置(例):泌尿器科の先生が「人に顔を見られたくない患者さんのため」に置いていたアイデア。実際に使う人がいるかは分かりませんが、気配りの姿勢は見習いたいです。
6. 弁護士との付き合い方
私は今までに2回、トラブル時のみ弁護士さんにお願いした経験があります。毎月契約する「顧問弁護士制度(サブスク)」もありますが、私のように頻度が少ない場合はスポット依頼の方が合理的でした。

まとめ:内装は「好き+実用性+トラブル回避」が鍵!
クリニックの内装は、理想の空間を実現するだけでなく、患者さんの印象やスタッフの動きやすさにも影響します。だからこそ、内装業者選びは慎重に。コンペ形式で比較すること、費用発生のタイミングを事前確認すること、そして小さなディテールにこだわることが重要です。
私の経験が、これから開業される先生方の参考になれば幸いです。