
クリニック開業に伴って、顧問弁護士は契約すべきですか?

私の経験をもとに解説しますね!
こんにちは、皮膚科医の玉城有紀です。私は現在3院のクリニックを経営し、開業してから12年以上が経ちました。
今回は、開業医の先生方からよくいただく質問「クリニック開業時に弁護士と顧問契約を結ぶべきか?」について、私自身の経験をもとにお話しします。

顧問弁護士は必要?私の結論
結論から言うと、「顧問契約までは不要」だと考えています。
もちろん、規模の大きなクリニックや美容外科など、トラブルのリスクが高い分野では顧問契約が有効な場合もあります。

実際に弁護士へ依頼したケースはたった2件
12年間の中で、私が実際に弁護士へ依頼した案件は2件だけです。
どちらも「内容証明の作成」をお願いし、費用は1件につき約10万円。
つまり、12年間で弁護士費用として支払ったのは合計20万円ほどです。
顧問契約を結ぶと月3〜5万円、年間36〜60万円ほどの出費になります。


クレームが続いた患者様のケース
クレームが続いた患者様のケースについてお話します。
何年も通院される中で、こちらも誠実に謝罪・対応を続けてきましたが、それでも納得いただけない状況が続きました。


そこで弁護士に相談し、正式に対応を依頼したところ――
その後、一切連絡が来なくなりました。
弁護士契約よりも大切なこと
顧問契約は不要でも、
・困った時にスポットで依頼できる関係を築いておく
この2点は、開業医として必ず備えておくべきだと思います。

医療現場のトラブルは避けられない
どれだけ注意しても、医療現場では予期せぬトラブルが起こります。

たとえば以前、患者様が転倒して怪我をされ、強い粘着力のある絆創膏を貼って来院されたことがありました。
担当医がそれを剥がす際にうまくいかず、ハサミで剥離しようとしたところ、さらに傷をつけてしまうという事案が発生しました。
もちろんその時の担当医も謝罪しましたが、患者様の怒りは収まりませんでした。

その後、その患者様は今も当院に通ってくださっています。
この経験を通して、
と強く感じました。
クレーム対応の鍵は“誠実さ”
開業医にとって法的リスクへの備えも大切ですが、
患者様は「治してもらって当然」と思って来院されます。

まとめ:信頼できる弁護士と、信頼される医師に
弁護士との顧問契約は、必須ではありません。
しかし、「困ったときに連絡できる弁護士を見つけておく」ことは開業医としてのリスク管理の一部です。
そして何より、トラブルを防ぐ最大の方法は、誠実な対応と感謝の心を忘れないこと。
💡まとめポイント
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一般皮膚科なら顧問弁護士契約は不要
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12年で弁護士依頼は2件のみ
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スポット依頼の方が費用対効果が高い
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信頼できる弁護士を事前に確保しておく
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トラブル時は誠心誠意の謝罪が最も大切
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