【開業医も知らない!?】保険診療に「予約料」を上乗せ?選定療養のメリットと実際に導入する場合の難しさとは?【クリニック開業・経営】

クリニック経営

今回は開業医も患者さんもほとんど知らない「予約料」のお話です

 

どういうことですか?ぜひ教えてください!

こんにちは、皮膚科医の玉城有紀です。 この「玉城有紀の部屋」では、私が3院のクリニックを経営する中で学んだ「生きた経営ノウハウ」や、開業に関するリアルな声を発信しています。

皆さんが体調を崩して内科などを受診された時、待合室で長く待たされた経験はあるでしょうか。その際、「すぐに診察してもらえるなら、別でお金を払ってもいい」と思ったことはありませんか?
実はクリニックの経営において、患者さんから「予約料」をいただく仕組みが存在します。
今回は、意外と知られていない「選定療養としての予約料」について、そのメリットや導入におけるリアルな壁についてお話しします。

選定療養としての「予約料」とは?

保険診療において、患者さんから別途予約料をいただくことは「選定療養としての予約料(平成18年厚生労働省告示第107号)」という制度で認められています。

ただし、明日から勝手に始められるというわけではありません。事前に管轄の厚生局(当院であれば関東信越厚生局)への届け出を行い、受理されたクリニックのみが行うことができます。

実際にこの制度を導入しているクリニックを調べてみると、予約料を3,000円〜8,000円程度に設定しているところがあるようです。

通常の保険診療(3割負担)であれば、窓口での自己負担額は1,000円〜2,000円程度ですが、そこに上乗せして指定の予約料を支払う仕組みです。

イメージとしては、ディズニーランドの「ファストパス」に近い感覚かもしれません。

「何時間も待ちたくない」「待ち時間が無駄で嫌だ」という患者さんにとっては、予約料を払ってでも指定した時間に早く診てもらえるという大きなメリットがあります。

予約料を導入するメリットと「保険医としての葛藤」

クリニック側の視点に立つと、この制度は「時間と質の確保」に役立ちます。

難しい治療が必要な患者さんや、病状について長く丁寧にお話しして理解していただく必要がある患者さんもいらっしゃいます。

しかし同時に、保険診療の枠組みの中では「他の患者さんをお待たせしてはいけない」という気持ちと、「効率よく診察しなければならない」というプレッシャーの板挟みになり、こちらとしても心苦しく感じることが多々あります。

予約枠を設けることで、こうしたジレンマを解消し、確実な時間を確保できるのはメリットと言えます。

一方で、保険医としての「葛藤」や「設定の難しさ」もあります。

「どうしても玉城先生に診てほしい」とわざわざ来てくださる患者さんは本当にありがたい存在であり、私自身、そうした思いがあるからこそ日々の診療に真摯に取り組めています。そうした患者さんから別途予約料を取るというのは、保険医として心情的に難しい部分を感じてしまいます。

また、実務的な問題として「予約料をいただいた分、その患者さんに確実に何分を割り当てるのか」「その間、他の通常診察の患者さんをどう回すのか」といった、診察時間と予約料設定のバランスを取るのが非常に難しい点も挙げられます。

皮膚科など「スピード重視」の科では導入が厳しい理由

さらに、診療科の特性による向き・不向きもあります。

例えば皮膚科の場合、ものすごい数の患者さんを速いスピードで次々と診察していくスタイルが基本となります。

一人の患者さんに一定の時間を割いて拘束されるとなると、相当な額の予約料をいただかない限り、経営的なバランスを取るのが厳しいというのが実情です。

皮膚科はかなりスピード重視があるため、当院では今のところ導入には至っていません
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まとめ:今後のクリニック経営において「予約料」は当たり前になる?

この予約料の制度は日本ではまだまだ浸透していないようです。

私自身も他の先生から聞いた時に「そんな制度があるの!?」と初耳だったくらいです

 

開業医ですら知らないことが多いのですから、患者さんが知るわけもありませんよね!

しかし、時代はどんどん流れていきます。

「カリスマドクターの特別枠」といった形だけでなく、待ち時間を減らすための正当な選択肢として、今後これが当たり前の時代になるかもしれません。

もし、すでにこの予約料の制度に取り組んでいる先生がいらっしゃいましたら、どのような運用をしていて、どんなメリット・デメリットがあるのか、ぜひYouTubeのコメント欄などで教えていただきたいです!

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クリニックの「予約料」導入のポイント
事前に厚生局へ届け出ることで、保険診療でも別途「予約料(選定療養)」の設定が可能です。患者さんにとっては待ち時間を大幅に短縮できる「ファストパス」のようなメリットがあります。
医師側も、難しい治療や丁寧な説明が必要な患者さんに十分な診察時間を確保できます。
一方で、保険医としての心理的な葛藤や、通常診察との時間配分のバランス調整が難しい側面もあります。
一人ひとりの診察スピードが求められる皮膚科などでは、経営的な観点から現時点での導入はハードルが高いのが実情です。
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