【開業医必見!】クリニックの分院展開で収入は増える?3店舗開院した開業医が語るリアルなメリット・デメリットと落とし穴

クリニック経営

こんにちは。今回は「分院展開すると収入は増えるのか?」という、開業医なら一度は考えるテーマについて、3院を展開する皮膚科専門医の私が経験をもとにお話します。

ゆっきー先生は3店舗開業していらっしゃいますね。収入は増えるのですか?

実はこれは難しい話です。解説していきますね!

分院を増やしても収入は増えない?

結論から言うと、分院を増やしても、自分の手取り収入はむしろ減ることもある、というのが現実です

1院目は個人経営だったため、患者様が来院されて、そこから家賃や人件費を引いた額がそのまま収入になっていました。しかし2院目を開業する際に医療法人化し、法人の代表としての給与を自分で設定できるようになると、節税などの観点から、給与はむしろ低く抑えることが一般的になります。

つまり、クリニックの利益は増えても、自分の取り分が増えるわけではないということです。

分院展開の本当のコスト

クリニックを増やすと、単純に固定費も増えます。家賃、スタッフの人件費、社労士や会計士への報酬など、費用は単純に2倍・3倍に跳ね上がります

また、最も大きいのは「心労」です。スタッフが増え、分院長が辞めることもあります。人材の入れ替えやトラブル対応など、精神的な負担が非常に大きくなります。

実際、多くの開業医が「1店舗を拡張していくのが一番効率がいい」と感じているのが現実です

本院拡大 vs 分院展開、どちらが理想か?

もし可能であれば、1院の中でフロアを増やすなどの形で拡張していく方法が最も理にかなっています。たとえば3階建てにして各階で診療を行う、という形であれば、院長が1人で管理できるメリットがありますし、スタッフ間の連携も取りやすいです。

テナントを借りているのであれば、同じ物件の他のフロアが開けばそこへ追加で入るという方法もいいでしょう。しかし、東京など都市部の駅近物件ではそもそも物件が開くことが少ないのでタイミングによる部分もあります。

本院を拡大できれば、院長という管理職は自分一人でよいので楽です

一方で分院を展開すると、院長職が複数必要になり、人の入れ替わりによる負担も増加します。そういった事情から、分院展開には明確なビジョンと体制が必要です

分院展開は「夢の次のステージ」

それでも分院展開を目指す医師が多いのは、「1院目が飽和し、次の夢を探し始めた時に出てくる選択肢」だからです。

開業して「自分の城」ができ、患者様もたくさん来てくださるようになると、次はどうするか?という問いに対して、多くの先生が「分院展開」を選びます。

しかし、しっかり本院を運営し続けることの方が安定とやりがいを得られる、という声が多数あります。

子供を1人にするのか3人にするのかの選択に似ています。子供が増えれば増えるほど苦労は増しますが、感動体験も増えますよね。クリニックを増やすことにも同じようなことが言えると思います。自分が何を目指すのか、ビジョンをしっかり考えることが重要です。

最終的に責任を取るのは経営者自身

分院展開を成功させるには、優秀な事務長が必要という話もありますが、事務長も人ですから辞めることもあります。最終的に責任を取るのは経営者自身です。だからこそ、どんなにサポートがあっても、自分が関われる範囲で展開するのがベストだと私は考えています。


まとめ

  • 分院展開=収入増とは限らない。むしろ減ることも。

  • 費用・手間・心労は確実に増える。

  • 1院の拡大の方が効率的な場合が多い。

  • 分院展開は戦略と覚悟が必要。

  • 最終的に頼れるのは、自分自身。


分院展開に憧れや期待を抱く方も多いと思いますが、実際には見えない苦労が多くあります。開業医として、理想の働き方をどう描くか、冷静な視点を持って進めていきたいですね。

動画でも解説しています↓

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